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斜陽

私だって、純文学くらい読みます。
作家の好き嫌いは激しいけど。

太宰治はなんか変な人ってイメージでしたが、『人間失格』を読んでからは少年のようなピュアな人なんだと大きく印象が変わりました。
大好きな作家です。

戦後に特権も身分も取り上げられた没落華族一家の崩壊がテーマです。

華族も私たち庶民と同じ庶民にカウントされるようになり、胡坐掻いて生きてきた旧華族たちは、お金なしでは何もできない状況に立たされてしまいます。
その元凶は弟にあり、まだ華族の身分が保証されていた時代から浪費ばかりしていました。
そのせいで、戦後はお金に困るハメになったというのに。
それでも果てしなく浪費を続け、華族らしからぬ自堕落ぶり(華族だからこそ?)。
お母さんはお母さんで、最後の華族らしくお金がなくても、肺病になってもお上品です。

読者はこの、滅びゆく一家の最後を追うだけなのですが、みんな美しい散りっぷりです。
この時代の華族って、こんなイメージなのかな? って思いました。
……後で、三島由紀夫が否定してましたけどね(笑)

弟が、自分の華族の二文字から逃れたかったこと、そして自分は所詮華族だということを姉にしたためた遺書には、胸がつまりました。
華族は華族なりの悩みがあったようです。

意外にも、華族にも戦時中は労働の義務が課せられていたというのは驚きでした。
華族のお嬢様にヨイトマケをやらせるのね?!

この物語の唯一かつ最後の救いは、主人公が庶民の子を産みシングルマザーとして強くたくましく生きることを決意したことです。
全編にわたり絶望ムードでしたが、最後に少しだけ希望の光がさした気がします。


この作品を読んで、太宰は男性だけでなく女性の気持ちもわかる作家だということに改めて感心しました。
好きな人の子を産みたい。
この気持ちは、女性の根底にある一番の望みです。
絶望のなかにあっても、辛くても好きな人との子どもが希望に代わるから。
もうちょっと長く生きて、もっといい作品を書いてほしかったってのがホンネだけど、太宰は人間への絶望が大きくて日々怖がっていたので愛人と心中できてよかったのかもしれません。
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板東ひかり

Author:板東ひかり
平成生まれの、作家志望女子のブログです!
このブログは私の自作ドレス・ブックレビュー・ポケモン話の3本柱でやってま~す。
現在大絶賛就活中。
不景気は厳しいです。

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